なぜ粘度の単位はPa・sなのか【化工のお部屋】

こんにちは。化工見習いです!

今回は粘度の単位がなぜPa・sなのかについて考えてみます!この疑問を持つ方は多いんではないでしょうか?Pa・sがピンと来ない。。。ピンと来ないその理由についても考えていきます!

目次

粘度とは

そもそもいわゆる粘度というのは、粘性係数のことです。

上のNewtonの粘性法則より、剪断力(粘性抵抗力)と速度勾配をつなぐ係数、すなわち比例定数です

この粘性法則を変形すれば

粘性係数はこのように表すことが出来ます。したがって粘度とは

速度勾配あたりの剪断力

と表現できます。というか定義です。

ですので、なぜ単位がPa・s(Pa/(1/s))なのかと聞かれれば、「速度勾配あたりの剪断力だから」という解答が正しく、残念ながらそれ以上でもそれ以下でもありません。

結論

早くも結論ですが笑 粘度の単位がPa・sである理由は「速度勾配あたりの剪断力だから」です。

ですが、なぜかピンと来ませんよね?笑

ここからは、なぜピンと来ないのかについて考えてみます!

粘度の単位がピンと来ない理由

まず、「比例定数に対してピンと来る」とは何でしょうか?

それはその現象が感覚的または経験的に分かることです。例えば、バネを例にしてフックの法則なるものがありますよね。

これは、バネの復元力とバネの伸びの関係を表したものになりますが、当然私たちはこれまでの経験より、「バネは伸ばせば伸ばす程、大きな力が必要になる」ということを知っているわけです。

したがって、F=-kxという式について感覚的に分かるので、比例定数kについても「バネの伸びあたりの復元力」ということが感覚的に分かる訳です。

では、粘度はどうでしょうか?

これまで生きてきて培った感覚や経験をもとに、素人が粘度についてどこまで表現出来るでしょうか?

せいぜい、「ネバネバしてる流体ってのは、かき混ぜるのに余計に力が必要だな」くらいではないでしょうか?鋭い人でも「(同じ物質でも)速くかき混ぜようとした場合も、余計に力が必要だろう」ってことまででしょう。

速度勾配に比例するなんて、誰にも想像出来ません。

つまり、Newtonの粘性法則が既に、常人の感覚的に理解できる範疇を超えていると言うことです。

ニュートンの粘性法則が感覚的に分からないのに、その比例定数である粘度について、感覚的に分かるはずがありませんよね

もし、習わずともこれまでの経験から想像して、「あ!速度勾配が大きくなると、よりネバネバに感じるな!」って感覚的に分かったしまったらそれはもはや超天才ではないかと思います笑 

また、それが想像出来ると言うことは、Newtonの法則を何の実験もなしに生み出すことが出来るという事になります笑

まとめ

  • Newtonの粘性法則は感覚で分かるようなものではないので、その比例定数である粘度も感覚的に理解できるはずがない。
  • 出来る人は超天才
  • 粘度とは「速度勾配あたりの剪断力」である。ゆえに単位はPa・s。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!その他の記事も併せてご覧ください👇

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この記事を書いた人

化学工学専攻/GPAが低めな大学院2年生
戦績:化学工学技士(基礎)S / TOEIC 890点 / 危険物取扱者甲種/高圧ガス製造保安責任者(甲種化学) / FP3級
特性 : 飽き性
趣味 : Netflix, Youtube視聴
勉強中 : 株の勉強を開始
化工見習い:見習いレベル3

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