多段連続槽型反応器について解説 槽数∞でPFR近似?【化工のお部屋】

こんにちは。化工見習いです!

今回は、多段連続槽型反応器について解説していきます。

この記事で分かることは
  • CSTRの考え方
  • CSTRをN個直列につないだ時の出口濃度
  • CSTRを無限個直列につなぐとPFRに近似される理由

です!本記事のメインは3つめとなります。

目次

CSTRの考え方

まずは、CSTRの考え方を超簡単におさらいします。

CSTRでは上図のように、①連続的に原料を供給 ②原料は瞬時に反応 ③濃度や温度はどこでも一定 というものです。

この連続槽型反応器を直列につなぐとこういう感じになります。

この時、N番目の槽の出口濃度はどうなるでしょうか?

槽N出口の濃度

まずは、1次反応と2次反応において、槽Nでの出口濃度を求めてみます。

多段連続槽型反応器

2次

残念ながら2次反応においては、槽Nの出口濃度をC0で表すことは私には出来ませんでした。多分無理だと思います。ですが、漸化式を得られているため、地道に1槽ずつ計算すれば求めることが出来ます。

槽数∞での転化率

では、1次反応において全反応器容積は固定して、槽数Nを無限大へ近づけてみます。

多段連続槽型無限

無限2

無限3-1

方法1)は授業で習ったんですが、普通に難しくないですか?笑

なので良い方法ないかなーと考えてみたら、思いついたのが方法2)で、こっちの方が楽なので気に入っています笑

これで、槽数を無限個つなげるとPFRに近似できることが数学的に分かりました。

ですがイメージが付きにくいので、もう少し感覚的な根本的な話をします。

槽数∞へ近づけるとPFRに

そもそもPFRにおいて反応速度を積分しなければならないのは、反応器長さ方向に濃度が変わり、反応速度が変わることによるものです。ここで積分の概念をおさらいすると、

このように、積分では細長い長方形の微小区間(無限小サイズ)での反応速度を一定と見なします。それを無限個連ねるとPFRに。

対して多段CSTRというのは、完全混合により反応器内濃度は一定。つまり反応器内反応速度は一定です。それを連ねる。

つまり、PFRの微小区間とCSTRは同じ扱いであることが分かります!したがって

無限小サイズのCSTRを無限個連ねると、当然PFRになります!

最後にこんなイメージだけでも持って帰って頂きたいです👇

よくよく考えれば当たり前のことでした笑

しかし私もこの記事を書こうと思い、今回考えるまで特に気づきませんでした笑

終わりに

今回も記事を読んで頂き、ありがとうございました!

ですがやはり文章で何かを伝えようとするのは難しいです。(T-T)ですので、

何か質問などありましたら、コメントの方よろしくお願いいたします!

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この記事を書いた人

化学工学専攻/GPAが低めな大学院2年生
戦績:化学工学技士(基礎)S / TOEIC 890点 / 危険物取扱者甲種/高圧ガス製造保安責任者(甲種化学) / FP3級
特性 : 飽き性
趣味 : Netflix, Youtube視聴
勉強中 : 株の勉強を開始
化工見習い:見習いレベル3

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