こんにちは。化工見習いです!
今回は、化学工学技士(基礎)2023年度の解答・解説となります!
少しでも参考になれば嬉しいです!
最後に振り返りをしてますので、ご覧くださいm(__)m
2023年-A-解答
技師基礎2023-A1 技師基礎2023-A2 技師基礎2023-A3 技師基礎2023-A4 技師基礎2023-A5 技師基礎2023-A6 技師基礎2023-A7 技師基礎2023-A89 技師基礎2023-A10振り返り
ではここから振り返りをしていきたいと思います!
先に言っておきますが、今回出題されたものの中に、僕が投稿している「技士基礎練習問題」で扱ったものがいくつかありました。
技士基礎を受ける直前に、式や考え方の再確認として、使ってみてはいかがでしょうか?👇
A1.量論
(a)収率、選択率についてちゃんと理解しておく必要があります。
(e)水素を分母に入れることを忘れずに
A2.日本語の問題?
日本語の問題とでも言うのでしょうか。難しいと思います。が特にコメントはありません。
A3.蒸留(単蒸留)
(b)苦手な人はとことん苦手な、積分です。卒業して5年経っても、高校積分を覚えておく必要があるんですねぇ。。(辛い)
この積分を行うには、まず部分分数分解ができなければなりません。化学工学では頻出なので、覚えておく必要があります。
(c),(d),(e)は収支をとってやれば解けます。
A4.粉体
(e)Stokesの終末沈降速度を覚えていれば、即答できる問題ですね。(丸暗記はお勧めしませんが)
正しくは、導出をするといいです。解答用紙に導出方法は割愛していますが、👇の記事にあるので良ければ見てください(o_ _)o))
A6.伝熱
(a)飽和蒸気のままですので、\(\ T_v=110\)℃は変わりません。
(d)ここは、僕の解答と同様に、(4)式をもう一度適用することで出口温度を求めてもいいですし、\(\ UA/wC_p\)のAが2倍になるので、これで解いてもいいです。
(e)難しい問題でした。ポイントは2つ。
①総括伝熱係数\(\ U\)を理解しており、問題文から伝熱係数\(\ h\)と近似できることに気づけるか。
②そのうえで\(\ UA/wC_p\)が条件変更後にどうなるかを式で正しく表現できるか。
この2点になります。
総括伝熱係数の記事もまた出そうかと思います。
A8.熱力学
(a)定圧モル熱容量\(\ C_p\)と定容モル熱容量\(\ C_v\)には\(\ C_p-C_v=R\)という関係が成り立ちますが、これを知らなければ(a)は解けません。
加えて、\(\ C_p/C_v={\gamma}\)(\(\ {\gamma}\)はポアソン比)を知らなければ(b),(c)も解くことはできません。
ですが、ここまで分からなくても諦めてはだめです。
(d),(e)は上記が分からなくても解くことができます。技師基礎においては、序盤が解けなくても諦めてはいけないことがよく分かります。
A9.正誤問題
(1)気体分子間に相互作用がない気体は全て理想気体であり、状態方程式に完全に従う。
・・・これは多分間違いだと思います。気体分子間に相互作用がないだけでなく、気体分子自身に体積がないことも条件に必要だと思います。
(2)Reynolds数は慣性力と粘性力の比を表す無次元数であり、対象流体の動粘度が小さいほど層流となりやすい。
・・・これは絶対に違いますね。\(\displaystyle Re=\frac{{\rho}vD}{{\mu}}=\frac{vD}{{\nu}}\)ですから、動粘度は小さいほど、Re数は大きくなりやすく、乱流になりやすいです。
(3)Joule-Thomson効果とは、気体が断熱的に孔から流れ出すときに温度が低下する現象である。
・・・これも微妙ですが、×だと思います。厳密にはジュールトムソン係数というものが存在し、それが>0となる条件では温度が上がり、<0となる条件では温度が下がります。問題文では「温度が低下する」と限定しているので間違いではないでしょうか。
(4)Bernoulliの式は、非圧縮性流体の定常流れにおいて、流線上の任意の2点で成り立つエネルギー保存則である。
・・・非圧縮性流体に限らず、圧縮性流体にも成立しますので、×です。
(5)〇
(6)Antoineの式は、飽和蒸気圧と温度の関係を示す実験式であり、その定数は物質により固有の値をとるが、適用温度範囲によって異なる。
・・・もう一つ正解があるはずなのでこれでしょう。ただ、私は「適用温度範囲によって異なる」という部分が引っ掛かりました。
A10.反応工学
(a)反応工学における最も基礎の部分で、ここで躓くと一生反応工学に苦しみます。が、確かに難しい部分もあるので、記事にして解説できたらなと思っています。
(b)CSTRにおける空間時間の式を覚えていなければ解けません。(といってもPFRの空間時間の式を覚えていればCSTRも簡単に分かるのですが、また今度記事にします。)(b)まで解けたらあとは全部解けるはずです。
感想
今回も最後まで見ていただきありがとうございました!
近いうちにB問題の解答も上げようと思うので、少々お待ちくださいm(__)m
こちらは去年僕が受験した化学工学技士(基礎)の結果です👇気になる方は見ていってください!
2022年度-A問題の解答・解説はこちら👇
2022年度-B問題の解答・解説はこちら👇
2021年度解答・解説はこちら👇
2019年度の解答・解説はこちら👇
2018年度の解答・解説はこちら👇
2017年度の解答・解説はこちら👇
コメント
コメント一覧 (2件)
2023年のA6の(d)の解答ですが、T2=Tv-(Tv-T2)exp(-o.69)となっていますが、右辺のT2はT1なのではないでしょうか?
ご質問いただき、ありがとうございます。
まず、ご質問内容の訂正ですが、T2=Tv-(Tv-T2)exp(-o.69)ではなく、「T3」=Tv-(Tv-T2)exp(-o.69)になります。
ここでの「T3」とは、私が勝手に設定した求めたい出口温度(d)です。
次に質問についてお答えします。
もちろん、右辺のT2をT1にしても構いません。
ですが、その場合は、熱交換器2個分の伝熱面積を考慮した、つまり0.69*2がexpの中に入る必要があります。
ですので、
T3=Tv-(Tv-T1)exp(-o.69*2)
でもokで、答えも同じものになります。
「問題文は熱交換器を二個直列して」とありますが、
私の解き方は、二個のうち、追加の一つ分だけを計算。質問者様の解き方は二つ繋げて計算。
という違いのみです。
さらにご質問がありましたら、遠慮なくご連絡ください。