こんにちは!化工見習いです!
今回は「化学工学量論とは何か」について解説します。
化学量論とは
化学工学量論とは、読んで字の如く、「化学反応における量的関係を論じる学問」です。
では「量」的関係とは、「なんの量」でしょうか。
以下のような化学反応があったとします。
2H2 + O2 → 2H2O
ご存じの通り水素分子と酸素分子で水分子ができる化学反応ですが、原子は消えたり0から生まれることはありませんので、「H2」と「O2」から「H2O」ができるのだとすれば、「2」つの水素分子と「1」つの酸素分子で「2」つの水分子ができるという、「物質量」の量的関係が存在することが分かります。
次に、2H2 + O2 → 2H2Oという化学反応は「物質量」が保存されていますが、「エネルギー」が保存されていませんね。正しくは
2H2 + O2 = 2H2O + 572 kJ
これは「反応熱」と呼ばれるものを化学反応式に加えたもので、熱化学反応式(熱化学方程式)といいます。これで「水素分子と酸素分子の持つエネルギー(左辺)」と「水分子 + 系外に放出されたエネルギー=反応熱(右辺)」の差が0となり、反応の前後について系全体のエネルギーが保存された式となります。
これは熱化学反応式では一般的に👇のように書きますが
H2 + 1/2O2 = H2O +286 kJ
反応でできたH2Oの量が半分になったので、当然ながら反応熱も半分になります。
逆に、化学工学では「化学物質を大量生産する」ことに活かされるので、100mol、10000molの水を作ろう!となることもあるでしょう。
そうすると反応熱は100×286 kJ、10000×286 kJというように、生成量に比例して発生するでしょう。
このように、「エネルギー量(差)」の量的関係が存在するわけです。
化学量論をマスターしよう
これから掲載していく「化学工学量論」ではこの「物質量」と「エネルギー量」についてがほとんどになります。
難しいとは思いますが、化学工学において、生産というものにおいて必要不可欠の基礎学問になるので、ぜひマスターしてください。
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