こんにちは!化工見習いです!
今回は化学工学量論-3【気体の状態方程式】について解説していきます!
気体の状態方程式
気体の状態方程式とは、気体の圧力・体積・温度の関係を示したものです。特に「理想気体」では以下の関係が成り立ちます。
\(\ PV=nRT\)または\(\ PV_m=RT\)
\(\ P\):圧力 [Pa]
\(\ V\):体積 [m3]
\(\ n\):モル数 [n]
\(\ R\):気体定数 [J/mol/K]
\(\ T\):温度 [K]
その他、「実在気体の状態方程式」もあり、より実際の気体の振る舞いを式化したものもあります。
そのうちの一つ、「ファンデルワールスの状態方程式」については👇記事をご覧ください。
その他、「Virialの状態方程式」や、「Redlich-Kwong式」などもありますので、気になる方は調べてみてください。(頻出ではありません)
圧縮係数
もう一つ、実在気体のPVTの表現法について紹介します。それが、「圧縮係数」を導入したものです。
\(\ PV_m=zRT\)
\(\ z\):圧縮係数 [-]
上記の「理想気体の状態方程式」と同形です。これより、理想気体では\(\ z=1\)で,、理想気体からずれるほど\(\ z\)の値は1から離れていきます。ようするに圧縮係数\(\ z\)は、非理想性を表す無次元数なのです。
対応状態原理
次に、対応状態原理についてです。
みなさんは、「臨界点」については聞いたことがあるでしょうか?まだ下の記事を読んでいない方は下の記事を読んでから続きをご覧ください。
臨界点とは「超臨界流体になる点」です。この臨界点の圧力、体積、温度を臨界圧力\(\ P_c\) , 臨界体積\(\ V_c\) , 臨界温度\(\ T_c\)といい、まとめて臨界定数といいます。(*ここでの\(\ V\)はモル体積)
そしてこの臨界定数に対する圧力、体積、温度のことを対臨界圧力\(\displaystyle P_r=\frac{P}{P_c}\) , 対臨界体積\(\displaystyle V_r=\frac{V}{V_c}\), 対臨界温度\(\displaystyle T_r=\frac{T}{T_c}\)と言います。
対応状態原理とは「同じ対臨界温度と対臨界体積を持てば、物質の種類によらず同じ対臨界圧力を示す」法則のことです。理想気体の状態方程式と似たようなもので、物質の種類に依らない法則です。
この法則は、先ほど紹介したファンデルワールス式からやってきています。
ファンデルワールスは、以下の式に変換できることが知られています。
\(\displaystyle (P_r+\frac{3}{V_r^2})(V_r-\frac{1}{3})=\frac{8}{3}T_r\)
(面倒なので導出は割愛させていただきます)
この式形を見ての通り、物質の種類に依る要素が含まれていません。よって、物質の種類に依らない法則であることが分かります。
まとめ
今回は、気体の状態方程式を紹介しました。
高校化学で習った、理想気体の状態方程式だけでなく、他にも様々な式があることや、化学工学に大事な考え方である「理想性」、「非理想性」についても知れたのではないでしょうか。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
質問やコメント等あれば気軽にご連絡ください!
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