こんにちは。化工見習いです!
今回は、化学工学量論-4【蒸気/蒸気圧】ということで蒸気に関する解説をしていきます。
蒸気圧は頻出事項なのでマスターしておくことが大事です!
蒸気、飽和蒸気とは
蒸気とは、「圧縮により凝縮する気相」のことです。「凝縮、つまり液体にならない気体なんてあるの?」と思うかもしれませんが、あります。
「全ての物質は、臨界温度を越えると、どれだけ圧縮しても凝縮しない」ことを超臨界流体の回で紹介しました。もしまだ読んでいない方は👇ご覧ください!
次に、飽和蒸気とは、「液相と気相が共存しているときの蒸気」のことで、この圧力を「飽和蒸気圧」といいます。
ちなみに。飽和蒸気は工業において頻繁に利用されているそうで、加熱・乾燥・蒸留・蒸し・焼成・滅菌・洗浄など、その活躍は幅広いものになっています。
飽和蒸気/飽和蒸気圧/飽和蒸気量に関しては他の方がたくさん記事を出されているので、ここではこの程度に留めておきます。
純物質の蒸気圧
ここからが、さらに化学工学っぽいところになります。
先ほど紹介した「飽和蒸気圧(単に蒸気圧ともいう)」は物質の種類によって、また温度によって異なります。
となれば、当然「推算式を創ろう!」という凄い方が現れてきます。
以下に、蒸気圧の推算式を紹介します。
蒸気圧推算-クラウジウス-クラペイロン式
クラウジウス-クラペイロン式は以下👇の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください!
蒸気圧推算-Antoine式(アントワン式)
Antoine式は比較的広い温度領域の蒸気圧を求めることができるとして、非常によく知られた式になります。
\(\displaystyle \log P=A-\frac{B}{T+C}\)
Tは基本的にセルシウス温度(℃)、A, B, CはAntoine定数で、物質の種類によって異なります。Pの単位はmmHgだったり、Paだったりしますので、Antoine定数を調べるときは単位に注意してください。
主要物質のAntoine定数はある程度実験で求められていますので、蒸気圧を知りたいときは調べるとだいたい出てきます。凄いですよね!
例題
問1. 物質の蒸気圧は物質によって異なる。 正誤
問1の答え
答え・・・正
問2. 物質の蒸気圧は温度の上昇に伴い、上昇する。
問2の答え
答え・・・正
問3. Antoine式を利用し、100℃の水の蒸気圧(kPa)を求めよ。
ただし、水のAntoine定数はA=8.03, B=1705.6, C=231.4とし、Tはセルシウス温度(℃), 圧力Pは(mmHg)とする。
また、1 mmHg=133.3 Paとする。
問3の答え
答え・・・\(\displaystyle \log P=A-\frac{B}{T+C}=8.03-\frac{1705.6}{100+231.4}=764.5\ \rm{mmHg}=101.9\ \rm{kPa}\)
まとめ
蒸気圧は化学工学において非常に重要な項目で、化学工学技士-基礎でも頻繁に問われる所です。工業的には、混合物から目的物質を取り出す、「蒸留」などで利用されることが多いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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